【乗車記】定期運行時代の「ムーンライトながら」号の思い出(2008年乗車)【大垣←→東京】

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運行終了

こちらの記事で紹介している列車は既に運行終了しています。

「ムーンライトながら」とは

「ムーンライトながら」とは、大垣駅と東京駅とを結ぶ夜行の快速列車のこと。全車指定席である一方、乗車券として「青春18きっぷ」が利用できます。そのため、同切符の利用可能期間中には、常に席がすぐ埋まる状態であり、臨時の「ながら」号も運行されることさえありました。

ただし、「全車指定席」とは書きましたが、下りについては指定席の有効区間は豊橋駅までで打ち止めとなっており、豊橋駅から大垣駅にかけては全車自由席となっていました。これは、豊橋駅の名古屋方面への始発列車を兼ねた運用になっていたからです。その分、同区間における停車駅も上り列車と比べれば格段に多いです(なお、臨時「ながら」は上り下りとも全区間指定席でした)。

列車自体も、定期運行分についてはJR東海の特急用新車(373系電車)が充てがわれており、普通のロングシート車などと比べたら、快適な旅路となるようになっていました(一方、臨時「ながら」は当時から「国鉄183系電車」もしくは「国鉄189系電車」が使われていました)。

また、列車運用の都合および乗車率の問題から、下り列車については3両分を名古屋駅で切り離すようになっていました

感想

深刻なガラガラ具合

私の乗車した時期は、「秋の乗り放題パス」がいわゆる「秋季版青春18きっぷ(3回分)」だった頃で、私もこの切符と指定席券を手にしていました。当初は「そこそこ混んでいるのではないか」と予想してはおりました。

にもかかわらず、上記写真の通り、席は全く埋まりません。大垣を出て、岐阜を過ぎ、名古屋を過ぎ、豊橋を発車しても、新たに乗車してくる客はほぼ皆無と言ってよかったというところ。それどころか、全車指定制であることを知らない(もしくは失念していた)乗客が間違って乗ってきたという有様です。

下り列車についても、東京を出て、横浜を過ぎ、小田原を過ぎ、静岡を出ても、やはり席はほとんど埋まる気配がありません。豊橋駅を過ぎたあたりから人が入ってきたのですが、そのときにはもはや「ながら」は単なる快速でしかありませんでしたから、空席問題の解決とはなりません。

空席続きではとても持たない

旅路こそ、そこそこ良い感じでリラックスしながら終着駅までを乗り通すことができました。しかし、このような有様では、列車がいつまで持ってくれるか分かりません。「ながら」の運用事業者は、言うまでもなく、JR東海とJR東日本の2社です。いつまでも赤字を垂れ流してばかりの列車を走らせておくわけにはいかなかったはずです。

実際、上記のような惨状だったからか、同年12月、ダイヤ改正のお知らせとともに定期運行終了の告知が出されたというのも、決して予想できない話ではありませんでした。「あのときに乗車しておいて本当に良かった」と思ったくらいです。

バスとの競合による影響など

この列車のウリは「名古屋都市圏と静岡と東京との間を安くラクに移動できる」という部分であったのですが、同区間は高速バスが多数走っている分、どうしてもそちらに客が流れていってしまいます。何よりJR東海のドル箱路線である「東海道新幹線」も並走しています。

JR東日本はどう思っていたか分かりませんが、少なくともJR東海は廃止したくて仕方なかったことでしょう。

写真あれこれ

大垣駅での様子(定期列車)

JR大垣駅にて停車中の快速「ムーンライトながら」号
快速「ムーンライトながら」号・発車標(JR大垣駅にて)
快速「ムーンライトながら」号・種別方向幕(東京行き)
快速「ムーンライトながら」号・乗車時点での様子

東京駅での様子(定期列車)

JR東京駅にて停車中の快速「ムーンライトながら」号
快速「ムーンライトながら」号・種別方向幕(名古屋行き)

【参考】東京駅での様子(臨時列車) ※2013年撮影

以下の写真以外にはめぼしい資料は手元にないのですが、ご参考になれば幸いです。

臨時快速「ムーンライトながら」号・発車標(JR東京駅にて)
臨時快速「ムーンライトながら」号・種別方向幕(大垣行き)

余談:臨時「ムーンライトながら」の今後

減少傾向に歯止めがかからず

定期運行終了後は、国鉄時代の特急用車両「国鉄185系電車」を用いた臨時「ながら」のみが、お盆休みや年末年始などの多客期において運行されていました。ただし、「青春18きっぷ」の使えないゴールデンウィークでは運行されていないし、臨時列車そのものも年を追うごとに減少傾向にありました。

2019~2020年の年末年始について言えば、なんと、年が明けてからの運行が一切なくなってしまいました。春も夏も冬も徐々に運行が少なくなっていて、そのうち臨時「ながら」でさえも廃止されてしまうのではないか、という説が囁かれておりました。

理由に関する私見

実際のところ、同列車のほとんどの乗客が「青春18きっぷ」の利用者でもあるため、JR東海としてもJR東日本としても、収益はないに等しいといったところではないでしょうか。貴重な人的資源、車両などを投資してまでわざわざ運行するほどの旨味は、両社にはないと思われます。

2018年の3月末でJR西日本の超赤字路線「三江線」が運行終了、廃線と相成ったように、従来どおりの運行が続けば、そのうち臨時「ながら」も廃止になるのではないかと考えておりました。「青春18きっぱー」には辛い現実が待っているでしょうけれども、JR各社も慈善事業をやっているわけではありません。

もし廃止にしようとしないのであれば、早期に何かしらの案を打っていたはずです。けれども、高速バスも新幹線も走っており、さまざまなニーズに対応できてしまっている以上、それらにどうやって太刀打ちできようというのでしょうか?

2021年には廃止が正式決定

2021年には、運行に使っている車両の老朽化に加え、昨今の新型コロナウイルス流行の影響もあり、とうとう運行の終了が正式に告知されることとなりました。

JR東海による、1月22日付けの公式リリースにもその旨が記載されています。

臨時の快速「ムーンライトながら」につきましては、お客さまの行動様式の変化により列車の 使命が薄れてきたことに加え、使用している車両の老朽化に伴い、運転を終了いたします。

引用元:https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000040932.pdf

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